【今日のおすすめの本】

『モモ』
ミヒャエル・エンデ 作
大島かおり 訳
岩波書店
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【『モモ』の関所】
このお話に出てくる「モモ」は円形劇場に住み、みんなの「話を聞いてくれる」不思議な女の子。灰色の男たちに奪われたみんなの時間を取り戻しにいきます。
名作古典児童文学として知られる『モモ』ですが、同時に挫折本としても有名な作品です。その原因はおそらく第一部にあります。
第二部からは物語が一気に動き出し凄まじい力で読者を引っ張りますので、この第一部の山を越えられるかどうかが分かれ道になってきます。
私も小学生時代に『モモ』を読んだとき、「この第一部はなぜこんなに長いのだろう?」と不思議に思っていました。
第一部に描かれているのは自己紹介を兼ねた、円形劇場でのモモとみんなの普段の会話(やや哲学的)や、普通の日常だからです。しかし今大人になって再読してみると、この第一部に描かれているのは、「生きていることの証明」なのだ、と気付いたのです。
文中のエンデの言葉を借りるならば、
「なぜなら時間とは、生きるということ、そのものだからです。そして人のいのちは心を住みかとしているからです。」(本文ママ)
流れゆく「時間」の中に「心」がなければ「いのち」はなくなる。そして「話すことや聞くこと」はその「心」を守ること。
『モモ』の真髄はここにあるのだと私は思います。
通常、私は娯楽としての読書については、とばし読みもOKというスタンスなのですが、こういった事情から『モモ』に関しては、読んでいる途中にしんどく感じるようであれば、表記の対象年齢でなく、関所を越えられるタイミングになってから読む方が楽しめるのではないかと思います。
【『モモ』の対象年齢について】
この『モモ』という作品。岩波少年文庫には、対象年齢が小学5・6年以上と書かれております。
ただ、2026年現在の令和の子ども達を見ていると、普段から読書を習慣的にしている場合を除き、最後まで読み切るのはなかなか難しいのではないかと思います。
体感としては、最初から最後まで読めるのはクラスに2人いるかどうか…という感じです。
現代は昔に比べて大人も若返っていますし、そもそも人間の寿命も伸びています。
サザエさんに出てくる波平さんと同い年の大人の方でも、まだまだ、お兄さん気分の方も多いのではないでしょうか。
これは子どもも同じだと思います。
このような現実を踏まえつつ対象年齢を令和にアップデートするにはどうしたらいいかな…と考えていたところ、娘が「対象年齢を令和版にアップデートする計算式」を発明してくれました。
【(対象年齢▶︎令和の対象年齢)への変換式】 ᝰ✍︎
現代人の精神年齢=実年齢×0.8
より、
▶︎本に書かれた対象年齢÷0.8=令和の対象年齢
▶︎『モモ』12歳÷0.8=15
よって、モモの令和の対象年齢は『15歳』。
娘曰く、15歳という年齢は、物語の内容が人生の悩みとクロスする瞬間とも一致しているし、子どもと大人の境目という意味でも、ちょうど良いのだそうです。
この計算式、絵本や幼年童話の対象年齢にも当てはめてみたところ、確かにしっくりくる感じがしたので、もし、表記の対象年齢の時に読んで、お子さまがあまり気乗りしなかった場合、令和の対象年齢に換算して、その年齢になったときに、もう一度本棚から出してきてもいいかもしれません。












