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oicchimouseの森の図書館員がめくるめく絵本の世界をご案内いたします。お子さまも大人の方もどうぞひと休みしていってくださいな。

『おたよりください』

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【今日のおすすめ絵本】〈児童書〉(対象…小学校中学年〜大人まで)

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『おたよりください』

作…K.スンド

絵…A.セラーノ=プネル

訳…木村由利子

大日本図書

 

(あらすじ)

スウェーデンの冬休み、なにもすることがない8歳の女の子「リンダ」は、お母さんのすすめで、新聞のペンフレンド募集広告に出ていた「オルガ」という同じ8歳の女の子に手紙を出すことにしました。

 

広告には、

 

『おたよりください。オルガ(八歳)。ペンフレンドぼしゅうちゅう。しゅみ、読書・動物・外国・人間。本紙気付「ひとりぼっち」までごれんらくを。』

と、書かれています。

 

早速、オルガに手紙を書いたリンダ。

 

ところが帰ってきたオルガからの手紙には、年齢が「8歳」というのは新聞の誤植で、本当は「80歳」のおばあちゃんだということが書かれていたのです。

 

8歳のリンダと80歳のオルガ。

 

二人の素敵な女の子の文通がはじまります。

 

 

冒頭を少し読むだけで、絶対に何か素敵なことが起こりそうな予感がして、ワクワクしてしまうこちらのお話。

 

はじめから終わりまで、ずっと二人の手紙のやりとりのみで物語がすすんでいきます。

リンダ、オルガ、それぞれの手紙のなんとすばらしいこと!

 

リンダの何気ない日常やオルガの昔の思い出話がとてもみずみずしくキラキラとつづられているのです。

 

友達のようでもあり、本当のおばあちゃんと孫のようでもある関係に、読んでいて心がほっこり温かくなり、自分もついペンをとりたくなります。

 

たくさんのたくさんの手紙のやりとりのあとに迎えるラストシーンは、圧巻で、良い意味で鳥肌が立ちます。

 

8歳の方も、80歳の方も、そのほかの年齢の方たちにもぜひ手にとっていただきたい珠玉の一冊です。

 

(追記)

残念ながら絶版のようです…。

こんなに素敵な本なのに。

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