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oicchimouseの森の図書館員がめくるめく絵本の世界をご案内いたします。お子さまも大人の方もどうぞひと休みしていってくださいな。

『火のくつと風のサンダル』

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【今日のおすすめ絵本】〈児童書〉(対象…小学校中学年〜大人まで。読んであげるなら低学年から)

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『火のくつと風のサンダル』

作…ウルズラ=ウェルフェル

訳…関 楠生

絵…久米 宏一

童話館出版

 

 

(あらすじ)

「ちび」で「でぶ」で「びんぼう」な男の子『チム』は、学校でいつも他の子どもたちから笑われています。

 

チムはときどき悲しくなります。

 

そして、自分がチムでいることすら嫌になります。

「ぼくの7歳のお誕生日には何もいらない。ぼくが、チムでなくなりゃいい。ほかの男の子になりたい。」とまで言い出します。

 

そして、ついにやってきたチムの7歳のお誕生日。

 

チムの面白いお父さんと優しいお母さんは、チムに手作りの「赤いくつ」と「リュックサック」をプレゼントしてくれました。

 

チムは、遊ぶものが何もないことに内心がっかりしますが、プレゼントはこれだけではなかったのです。

 

両親が用意してくれていた本当のプレゼントはお父さんとチムが二人で行く『旅』でした。

 

夏休み中、お父さんとチムは本物の「旅がらす」になるのです。

 

新しい「赤いくつ」を履き、リュックサックをしょって。

 

それは決して贅沢な旅ではありません。

 

四週間、二人は家に帰らず、高い山にのぼり、静かな農家や、小さな村へ行き、お父さんが靴を直して、そのお礼に泊めてもらい、食事をさせてもらい、お金をもらって旅をするのです。

 

赤いくつを履いたチムと青いサンダルを履いたお父さんは旅の間お互いを「火のくつ」「風のサンダル」という名前で呼び合うことにします。

 

ひと夏の特別な親子旅がはじまります。

 

 

旅の途中、チムがわがままを言ったり腹を立てて怒り出すたびに、お父さんは手作りの愉快な教訓話(?)を語りはじめます。

 

この旅は実は徒歩でのちょっとした旅行なのですが、7歳の小さなチムにとっては決して楽なものではなく、大変な大冒険です。


旅の終わりに見つけたチムにとっての「本当のしあわせ」とは。

 

 


夏のお話ですが、涼しくなってきたこの季節にもぴったりです。

夜寝る前に1話ずつ読むのにおすすめです。