【今日のおすすめ絵本】(対象…4歳頃から大人まで)
『ことらちゃんの冒険』
お話…石井桃子
画…深沢紅子
河出書房新社
「ある日、ことらちゃんがどたんばたんと、おざしきをとんであるいていると、『うるさいわねえ、ことらちゃんは!』といいながら、おかあさんねこが小さい小さいねこを二ひきつれて、おしいれからでてきました。
『あなたにも、タイガちゃんとミーちゃんというおとうとといもうとが、できたんですよ。これからは、すこしおにいさんらしく、おもりでもしなさい。』……。」〈本文ママ〉
『ことらちゃんの冒険』第4話「ことらちゃんのおてがら」より
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お座敷をどたんばたんと飛び歩いていると、いきなり押入れから見たことのない弟と妹を連れてお母さんが登場する、というなかなか衝撃的な一場面ですが、猫的には割と普通のことなのでしょうか。
そしてお母さんはちょっとイライラしているのでしょうか。
1971年11月、婦人之友社より刊行された単行本の復刊本です。⬅︎うれしい!!
ことらちゃんの日常生活の中でおこる面白おかしい出来事が8話のお話にまとめられています。(雑誌「婦人之友」連載時は12話だったようです)
どのお話も、ぴったり6場面で終わるように構成されており、一場面ごとの挿絵の横にサイコロ🎲の絵が描かれているのも楽しいです。
サイコロの目は第一場面で一つ、第二場面で二つ……と徐々に増えていき、目が六つになったところで一つのお話が終わります。
一つ一つのお話の内容はとても濃いのに、6場面きっかりでスパッと終わり、それが6コマ漫画のようで、一切無駄が無く非常にスタイリッシュです。
お菓子を食べていて手が止まらなくなるように、無限に読めます。
*昔の絵本のため現在では不適切な言葉が時折出てきますので、お子さまに読んであげる際には大人の方が説明&フォローされるとよいかもしれません。