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oicchimouseの森の図書館員がめくるめく絵本の世界をご案内いたします。お子さまも大人の方もどうぞひと休みしていってくださいな。

『うさぎのくにへ』

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【今日のおすすめ絵本】(対象…3歳頃から大人まで)

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『うさぎのくにへ』

ジビュレ・フォン・オルファース…作

秦 理絵子…訳

平凡社

 

 

 

(あらすじ)

森の中で、森番をしているお父さん。

 

カゴに入れて一緒に連れてきた、可愛い双子、むくむくちゃんとぷくぷくちゃんは、ぐっすり眠っています。

お父さんは二人の子ども達が眠っている間にキノコを採りにいくことにしました。

 

ところが、途中で目が覚めてしまった二人は、カゴからころん、ころん。

ここはいったいどこだろう?

 

通りかかった母さんうさぎは、びっくりします。

「まあ なんてこと せわする ひとが いないのね うちへ つれて いきましょう」

 

母さんうさぎが二人をうさぎの家に連れて行くと、こうさぎたちは驚きます。

 

むくむくちゃんとぷくぷくちゃんと、こうさぎたちの間に何となく気まずい空気が流れます。

 

母さんうさぎはむくむくちゃんとぷくぷくちゃんのために、夜なべして、うさぎの着ぐるみのような服を縫ってくれました。

 

これでうさぎの仲間入りです。





「ねっこぼっこ」で有名なオルファース。

 

34歳という若さでこの世を去り、残された作品は8冊です。 

 

数は少ないながらも、どの作品もドイツ古典絵本の傑作として長く読み継がれています。

 

 

 

むくむくちゃんぷくぷくちゃんという名前に、可愛すぎるうさぎの着ぐるみ姿の二人、自分の家の子どもと同じように愛情をそそいでくれる、優しい優しい母さんうさぎ…。

 

そして、楽しいひとときを過ごした二人はちゃんと無事、本当のお父さんお母さんのもとに辿り着くのです。

 

 

 

 

小さなお子さまはもちろん、肌寒くなってきた夜に、温かい飲み物を片手に大人がゆっくりとページをめくりながら楽しむのにもぴったりです。

 

現在、新刊での在庫がないのですが、とても素敵な作品ですので、ぜひぜひ図書館で探してみてください。

 

オルファースの作品は、どれも絵がとても美しく、文章も非常に文学的で優れています。

 

 

 

本当に〈優れた絵本〉は誰にとっても、いつの時代の人にとっても「良いもの」なのです。

 

 

こちらも四季折々の空気感が味わえるおすすめの絵本です。⬇︎

 

こちらの2冊『ねっこぼっこ』『根っこのこどもたち目をさます』は、どちらもオルファースが絵を描いていますが、『ねっこぼっこ』のほうは文章もオルファースが手がけ、訳は秦理絵子さんで詩のような雰囲気の文章。

 

それに対し、『根っこのこどもたち目をさます』はオルファースの絵にヘレン・ディーン・フィッシュさんが文章を付け、訳と編は石井桃子さんが担当。物語風の文体です。

 

どちらも甲乙つけ難い素晴らしい作品です。

 

私はマニアなので2冊所持し、いつも読み比べを楽しんでいます。

 

 

読書の秋、みなさんもぜひ、オルファース作品の数々に浸ってみてください⬇︎

 

新刊ではないですが、他にも『うさぎのくにへ』と同じ作者、訳者、出版社が手がけた絵本に、『森のおひめさま』、『ゆきのおしろへ』、『ちょうちょのくに』があります。同じテイストなので、今回ご紹介させていただいた作品を気に入っていただけた方は同様に楽しんでいただけるかと思います。

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