【今日のおすすめ絵本】(対象…低学年から大人)
『ねこのオーランドー 3びきのグレイス』
キャスリーン・ヘイル さく
こみやゆう やく
好学社
(あらすじ)
空とぶじゅうたん「ファティマ」に乗って、3匹のこねこたちと一緒にクリスマスプレゼントを買いに〈ねこの店〉に出かけた、ねこのオーランドー。
〈ねこの店〉でみんなが家族へのクリスマスプレゼントを買う間、子猫のうちの1匹、ティンクルだけは外で雪遊びをはじめ、みんなへのクリスマスプレゼントを買いそびれてしまいます。
家に戻ってからそのことを後悔したティンクルは、とりあえず今自分が持っているものの中からありあわせでみんなへのプレゼントを用意しました。
ところが、ティンクルは今度はママのプレゼントを用意するのを忘れていたことに気付きます。クリスマスの日、仕方がないのでティンクルは自分用にプレゼントしてもらった「手品セット」の中に入っていた香水(?)をママのプレゼントにすることにしました。
化粧台に置かれたティンクルからのクリスマスプレゼントに気付いたママは、大喜び。早速香水らしきものを吹き付けてみました。
すると、なぜだかママは3人になってしまいました。
3人になったママを見て、オーランドーと子どもたちは化け物でも見るかのように怖がります。
オーランドー一家はママを元に戻すため、「天の川のお城」に住むというサンタクロースに助けを求めることにしました。
みんなで空とぶじゅうたん「ファティマ」に乗ってクリスマスの冒険のはじまりです。
*
*
*
クリスマスにオーランドー一家に起こった「ちょっとおかしな大事件」。
それぞれがクリスマスにもらったプレゼントが、旅の途中でその都度大きな役割を果たし、それによってカシャカシャとスライドのように場面が切り替わっていくところが非常にダイナミックです。
お話の中の世界にどこまでも先がないような無限の奥行きが感じられます。
天の川(ミルキーウェイ)に本当にミルクが流れていたり、岩がアイスクリームでできていたり…と、さすがサンタさんへの居場所へと繋がっているだけあって、子ども心をくすぐる景色にあふれています。
登場人物の喜怒哀楽が絶妙にリアルに描かれていてユーモアたっぷりの作品です。