【今日のおすすめ絵本】(対象…?)
『すうがく博物誌・下』
森毅 著
安野光雅 画
童話屋
数学は若者の仕事、と言われる。もっとも、20歳の老人もいるし、70歳の若者もいる。
(【若者】の項より本文ママ)
この物語の作者キャロルは数学者だった。アリスびいきの女王が、キャロルの別の本を買い求めたら数学書だったので面くらったという。
いまも数学者は、アリスとともに、不思議の国へ旅だちたいと、いつも考えている。
(【不思議の国のアリス】の項より本文ママ)
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前回postの上巻からの続きです。⬇︎
数学者の森毅さんが[さ]〜[わ]までで始まる数学に関係した言葉について解説(?)し、その一つ一つに安野光雅さんが挿絵をつけた本です。
一つの言葉につき、1ページの解説になっているのですが、まるで美しい詩集のよう。
(あとがき)の中で、森毅さんは、次のように語っています。👇
『この本はだれに読ますつもりだ、と訊かれるとつらい。
かなを振って、小学校の高学年からでも、ところどころ読んでほしいと思うけれど、内容を全部理解するには、大学の数学科を卒業してもらわねばなるまい。
もっとも、これは数学へのガイド・ブックではない。
アルプスへ登るためのガイドだと大変だろうが、山に登る前に、そこに咲くエーデルワイスの花を見るのもいいではないか。』
「山に登る前にそこに咲くエーデルワイスの花を見る」←なんて素敵な言葉でしょうか。
何事も本物には人を惹きつける力がある。
数学嫌いの私でもこの本を楽しめるのは、ここに描かれているのが瑞々しく美しい〈本物の数学〉だからなのでしょう。
小2の娘も「なにこれめっちゃ難しい」と言いながらも「分からないのになぜか気になって読んでしまう」と、夢中になって読んでいます。
こちらの本、今はカラーの表紙の新装版がでておりますが、私はこのアンティークテイスト満載の旧版の装丁がとても気に入っています。
なんだか、秘密の呪文が書かれた魔法の本のような雰囲気があるからです……。📖
もし、機会があればぜひ旧版も手にとってご覧ください^ ^
*新装版では、上巻・下巻が一冊にまとまっているようです⬇︎