【今日のおすすめの本】(対象…低学年から)
『なぜどうしてものがたりーケニアの民話ー』
パメラ・コーラ 作
キバチ・マリマ 絵
土屋哲 訳
岩波書店
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「○○はなぜ△△なのか」というタイトルの、ケニアのルオ族に伝わる民話が10話収録されています。
表紙の絵は、ルオ族のおばあさんが、暖炉の火を囲んで子どもたちに昔話を語っているところです。
こちらの本は本文も挿絵もアフリカ人の方が手がけられ、出版社もアフリカというだけあって、アフリカの自然や人々の生活の様子が、読んでいてとても色濃く感じられます。
登場人物はバラエティにとんでいて、カメやコウモリのような動物から、擬人化された豆、草、棒切れ、そして人間も登場します。
すべてのものに平等な眼差しが向けられており、お話はどれも何か言いたげな独特の余韻を残しています。
世の中にある様々な問題ごとや先人の失敗による教訓。
また、迷信を恐れて不条理な慣習に囚われていた過去の罪を受け入れ、後世に語り継ぐために生まれたのだろうと推察されるお話もあり、いろいろと考えさせられました。
カバには、なぜ、髪の毛がないのか…
人間は、いつから、死ぬようになったのか…
気になる方はどうぞ読んでみてください。
秋の夜長に、真っ暗な部屋にロウソクの火を灯して……いつもと違う雰囲気での読み聞かせにおすすめの一冊です。