【今日のおすすめの本】(低学年から大人まで)

『バレエをおどりたかった馬』
H・ストルテンベルグ 作
菱木晃子 訳
さとうあや 絵
福音館書店
【もくじ】
一 あんなふうに、おどりたい!
ニ あたらしい友だち
三 バレエ学校はでたけれど
四 きみはスターだ!
五 クローバーの原っぱで
「馬」は、「ぶた」と「めんどり」と「ひつじ」と一緒に、田舎の大きな赤い家でのんびり仲良く暮らしていました。
ある日、馬は、散歩の途中に、道に迷ったバレエ団に出会います。駅までの道を教えてもらったお礼にバレエ団の人たちは馬にバレエを見せてくれました。
バレエの美しさに魅了された馬は、バレエダンサーになるため、町へと出かけていきます。
通りすがりの女の人に馬鹿にされたり、バレエ学校の女の子に意地悪を言われたり、最初は上手くいかないことばかりでしたが、口は悪いけれど実は優しいオウム、親切な大家のグレーネさん、グレーネさんの友だちのブッゲさんにシェールさんに助けられ、馬は町の暮らしに慣れて行きます。
バレエ学校の女の子たちともすっかり仲良くなった馬は、クラスメイトのハンナのお誕生日にも「馬子(うまこ)」という女の子に変装して参加します。
(「馬子ちゃん、おとうさんやおかあさんは角ざとうをたべてもいいと、おっしゃるの?」「は、はい。たまに……」のやりとりが面白い)
やがて、努力が実り、バレエ学校を主席で卒業した馬でしたが……。
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穏やかで安心できる故郷、初めて芽生えた夢、最初の壁、成功と挫折、そして再び仲間が待つ故郷へ……。
子どもや若い人が何か夢や目標を見つけて突き進んでいるとき、この馬の周りにいるキャラクターたちのような大人がいればどんなにいいだろう、と思います。
そして、故郷に戻ったときには、馬を大事に想う仲間が温かく迎えてくれる。
幼い頃にこういうお話に出会えれば、子どもたちは安心して夢に向かっていける気がします。
幼い子のためのお話は必ず「行って、戻って」きますが、このお話もちゃんと、行って戻ってきます。戻ってくる場所があるから、子どもたちは、安心して「行くこと」ができるのです。
午年の始まりを彩る、幸せに満ちた物語。大人の方にもおすすめです。