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『不思議の国のアリス』原作本、おすすめの翻訳版2冊を比較【おまけ】数学者ルイス・キャロルによる異色の数学書

【今日のおすすめの本】(対象…高学年から)

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『不思議の国のアリス』

ルイス・キャロル・作

脇明子・訳

岩波書店

 

『ふしぎの国のアリス』

ルイス・キャロル・作

生野幸吉・訳

ジョン・テニエル・画

福音館書店

 

 

 

オックスフォードの数学者であった、チャールズ・ラトウィジ・ドジソンが、「ルイス・キャロル」の名で世に送り出した「不思議の国のアリス」(ふしぎの国のアリス)です。

 

 

1862年の夏、ボート遊びの最中に、学寮長の娘アリス・リドルのために即興で語ったお話が、この物語のはじまりです。

 

 

キャロルは、それまで「子供を教育するための道具」だった児童文学を根底から覆し、「純粋な楽しみ」のための物語へと解放した、児童文学史上最大の革命児の一人でした。

彼の登場をきっかけに、イギリス児童文学は黄金時代へと突入したといわれています。

 

 

たくさんの種類が出ていますが、やはり代表的な翻訳版はこちらの2冊でしょうか。⬇︎

 

 

【岩波少年文庫版】
脇明子さんが翻訳を担当。子どもが耳で聞いただけでもお話の世界を想像しやすいよう、比較的シンプルに訳されています。優れた昔話の再話に極めて近い印象です。

 

【福音館書店版】
生野幸吉さんが翻訳を担当。文学的で美しい訳が魅力的です。格調高く、原文に忠実に落としこもうというストイックさが感じられます。

 

 

どちらも非常に翻訳が優れているので、お好みで……。

 

 

個人的には、小さな子どもに読んであげる、または、子どもが一人で読んで楽しむなら、まずは、『岩波少年文庫版』

 


少し大きくなってから、『福音館書店版』でさらにリアルで緻密なアリスの世界観を楽しむ……というのもいいかなぁ、と思います。

 

 

(もちろん、初めて出会うのが『福音館書店版』というのもドラマチックで素敵です。)

 

 

ちなみに、ドジソン(キャロル)は、自分のことを「ドードー」というニックネームで呼んでいたそうです……

 

 

ドジソン(ドッドソン)▶︎ドードー

 

 

そう、あの「ドードー」ですね。

 

 

 

 

 

【おまけ】

そして、『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルが、本名のチャールズ・ドジソン名義で出した異色の数学書の一つが、こちら⬇︎

 

『ユークリッドと彼の現代のライバルたち』
(原題:Euclid and His Modern Rivals)

 

 

 

 

【ユークリッドと彼の現代のライバルたち】
ルイス・キャロル著/細井勉・訳,解説/日本評論社

 

 

こちらの翻訳版は手にとってもらいやすいように、あえて日本でよく知られたペンネームである「キャロル」を採用しているそうです。

 

 

タイトルにある、ユークリッドとは、『証明』というルールを作った、数学界のレジェンド的人物です。

 


証明とは、学校の数学で習う「ゆえに三角形ABCとDEFは合同である……」みたいなやつです。

 

 

当時、学校の教科書からユークリッドの『原論』が消えそうになっていることに怒ったキャロルが、「ユークリッド先生の教え方が一番素晴らしいんだ!」と証明するために書いた反論本です。

 

 

そして、この本は、数学の本なのに、なぜか「お芝居」の形をしています。

 

 

真夜中の大学の研究室で眠ってしまった主人公ミノス(キャロルの分身)。そこに、あの世から来たユークリッドの亡霊が、ぬっと現れ、2人でなんやかんや話す。
その後、ニーマント(ライバルたちの分身)という新たな亡霊も登場し、議論が白熱していく……

 

 

という、数学書とは思えない破天荒な内容です。

 

 

その後、ニーマントは、なぜかノストラダムスに変身。アイザック・ニュートンの飼い犬まで登場するカオスぶりで、物語(議論)は、進んでいきます。

 

 

正直、読んでみましたが、どこまでも分からない…。

 

 

『不思議の国のアリス』の数百倍意味不明な「不思議の国」で「読解力」が、たびたび行方不明に…。

 

 

ニュートンの飼い犬…ニュートンが犬を飼っていたという有名な伝説はあるけれど、「本当かどうかは怪しい」というのが歴史的な定説のようです。
ある日、ニュートンが部屋を少し離れた隙に、愛犬のダイアモンドが机に飛び乗り、その拍子にロウソクが倒れ、ニュートンが20年かけて書き溜めた膨大な研究資料が燃えてしまった、という逸話があります。
(現代では作り話だと言われていますが…)

 

細井勉さん(理学博士)の注釈や解説もなかなかシュールです。
この数学書を翻訳してみて気づいたことの一つとして、「英国において、亡霊というものをどのように捉えていたのかを実感できました」と、書かれていました。なかなかすごい角度から切り込んでおられます。

 

 

ご興味がある方は、ぜひこちらの本ものぞいてみられると面白いかもしれません。

 

私の著書はこちら⬇︎

 

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