【今日のおすすめの本】(対象…高学年から大人まで)
『魔法の学校 エンデのメルヒェン集』
ミヒャエル・エンデ 作
池内 紀 /佐々木 田鶴子/田村 都志夫 /矢川 澄子 訳
岩波書店
レオ二八世の結婚式に出席するため、歩きはじめた亀のトランキラ。
しかしトランキラの歩みは遅く、歩いている間に、結婚式の日にちが迫ってきます。
みんなに「絶対間に合わない」と指摘されながらも、トランキラは歩くのをやめようとはしません。
ついに結婚式の予定の日がおとずれますが、レオ二八世は、虎との戦争に行くことになり結婚式はとりやめになりました。
そして、その戦いで、レオ二八世は亡くなり、動物達はお葬式に出席しました。
しかし、レオ二八世が既に亡くなってしまった事実を聞かされても、トランキラは結婚式に行くことを絶対に諦めませんでした。
「とっくに亡くなったものの結婚式に行こうなんて、がんこもの」と動物達に叱られてもトランキラは歩き続け、ついに花の咲きみだれる森に到着します。
そこにはたくさんの動物達が集まっていて、何かを楽しみに待っているようでした…。
〈『トランキラ・トランペルトロイ がんばりやのかめ』あらすじ〉
何かを信じ続けた者の前にだけ広がる特別な景色は、当初の予定とは少し(?)異なっていたとしても本質的には何も異ならない、素晴らしい世界に違いないのだなぁと考えさせられます。
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「モモ」「はてしない物語」のミヒャエル・エンデによる短編集です。
表題作の「魔法の学校」をはじめ、頭が混乱してくるような不思議なお話や面白いお話、エンデ本人と思われる人物が主人公として登場する奇妙なお話など、盛り沢山の内容で、哲学的な雰囲気もあり、大人が読んでも読み応えがあります。
文庫本タイプも出ていますよ。
現在Amazonの「岩波少年文庫カテゴリ」の中で、「ギフトとしてよく贈られている商品第2位」になっているようです。
ちなみに1位は同じくエンデの『モモ』です。