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oicchimouseの森の図書館員がめくるめく絵本の世界をご案内いたします。お子さまも大人の方もどうぞひと休みしていってくださいな。

『すてきな子どもたち』

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【今日のおすすめ絵本】(小学校低学年から大人まで)

(5歳頃から読めますが時系列が前後して進むストーリーなので、ある程度大きいお子様または大人の方のほうがしっかり楽しめるかもしれません)

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『すてきな子どもたち』

文…アリス・マクレラン

絵…バーバラ・クーニー

訳…きたむらたろう

ほるぷ出版

 

 

あそこはロクサボクセンよ、といったのはマリアンです。

(マリアンって、とっても、ものしりだったの)

 

道のむこうのあそこは、どこにでもある、ごつごつした丘で____

 

砂と岩、古い木の箱、サボテン、グリース・ウッド、

 

それにとげだらけのオコティーヨのほか、なんにもなかったわ____

 

でも、そのロクサボクセンこそ、みんながとくべつ気にいってた場所だったのね。

(本文ママ)

 

 

これは作者である、アリスマクレランのお母さんがすてきな子どもだった頃のお話です。

 

 

 

特徴的な文体で、まるで夜寝る前にお母さんが自分の小さかった頃の楽しい思い出を子どもに語って聞かせているかのような雰囲気があります。

 

 


子どもたちは、道のむこうにある「砂と岩、古い木の箱、サボテン、グリース・ウッド、それにとげだらけのオコティーヨ」の他には何もないお気に入りの場所、「ロクサボクセン」で遊びます。

 

 

みんなで見つけた黒くて丸い小石、風みたいに速く走れる棒きれのウマ、石で仕切って作った町。

 

 

公園の遊具などなくても、大人が何かお膳立てしなくとも、本来子どもたちには次々と想像力と創造力をめぐらせ、自由に遊ぶことができる力が備わっています。

 

 

 

そのことこそが素晴らしく〈すてき〉なのです。

 

 

 

「ロクサボクセン」

 

 

それは、子どもたちにとって現実の中にある想像の世界であり、そしてまたその想像の世界の中にあるもう一つの現実の世界です。

 

 

 

子どものカバンからたくさんの面白い形の小石が出てくると、この子も「すてきな子ども」だなぁと、この本を思い出します。

 

 

 

そしてこの本を読むと、子どもの頃友達と集まって竹やぶに作った秘密基地で真っ暗になるまで遊んだり、みんなで大切なその場所を毎日一生懸命掃除したり作り直したりしたことを思い出して、自分も「すてきな子ども」だったなぁと嬉しくなります。

 

 

 

「すてきな子どもたち」と、「昔すてきな子どもだった人たち」にぜひ読んでいただきたい傑作絵本です。

 


世界中の子どもたちにロクサボクセンがありますように!

 

 

 

 

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同じくバーバラ・クーニーさんが挿絵を手掛けている『にぐるまひいて』⬇︎⬇︎

 

家族みんなの労働の結晶である品物が荷車によって町へ運ばれ、お金となり、その大切なお金で、家族にすてきなものを買って、お父さんが家に帰る。

 

そしてまたみんなで仕事をし、新しい荷車を作る。

 

労働の尊さを自然な形で感じさせてくれるとても素敵な絵本です。

 

クーニーさんの美しい絵に魅了されます。