【今日のおすすめ絵本】(対象…3歳頃から大人まで)
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『ねこのくにのおきゃくさま』
シビル・ウェッタシンハ 作
まつおかきょうこ 訳
福音館書店
(あらすじ)
うみをこえたはるかかなたに、ねこのくにがありました。<中略>
ねこのくにのひとたちは、はたらくことはしっていました。
でも、たのしむことをしりませんでした。
このくにには、おんがくも、おどりもなかったのです。
ところが、あるひ、うみのむこうから、みたこともないふねが一そうあらわれて、ねこのくにのきしべにつきました。
そして、そのふねから、みたこともないひとがふたり、おりてきました。(本文ママ)
働き者ですが、楽しむことを知らず、何かが足りないと感じていた、ねこの国の人々に、謎の「おきゃくさま」は、「おんがく」と「おどり」を教えます。
ねこたちは、大喜びするのですが、「おきゃくさま」は、仮面を絶対に外そうとしません。
ついに。明らかになった「おきゃくさま」の正体とは……。
『きつねのホイティ』や『かさどろぼう』などで知られる、スリランカの絵本作家シビル・ウェッタシンハさんによる、作品です。
異国情緒漂う特徴的な絵のタッチは、ひとめみただけで彼女の作品だと分かる独特な個性があり、ページをめくると、お話が生まれた土地が醸し出す雰囲気や、土のかおりがしてきそうな気がします。
彼女の描くお話のほとんどは、6歳まで過ごしたスリランカ南部、ゴール近郊のギントタ村での生活がもとになっているそう。
民話的な雰囲気の絵に対して、お話が伝える本質的な部分は現代的で、大人が読んでもハッとさせられます。
子どもたちは、もちろん怪しい仮面をつけた「おきゃくさま」の正体が誰なのか、当てようとして、盛り上がります。
日常に追われて気持ちの余裕がなくなってきたときに、ぜひ、読みたい一冊です。