oicchimouseのおいっち・にー・さん・しー

oicchimouseの森の図書館員がめくるめく絵本の世界をご案内いたします。お子さまも大人の方もどうぞひと休みしていってくださいな。

『夏休みに読みたい絵本10選』前編

広告

f:id:oicchimouse:20230720162425p:image

『夏休みに読みたい絵本10選』前編

 

こんにちは。oicchimouseです。

子どもたちは、明日から夏休みに入るところが多いそうですね。

 

大人はなかなか、子どもたちのようにゆっくり休めませんが、少し涼しくなってきた夜の一人時間、チリンチリンと鳴る風鈴の音とともに夏の絵本を楽しんでみるのも風情がありますよ。

 

これから前編(今回)・後編(次回)の2回に分けて、大人も子どもも楽しめる夏におすすめのとっておき絵本をご紹介していきたいと思います。

[順不同]

 

①『こぎつねキッコ』

松野正子・文

梶山俊夫・絵

童心社

子どもが10人、先生1人、お部屋が1つの山の幼稚園の裏山に母さんと住んでいるこぎつねのキッコちゃん。

キッコちゃんは幼稚園をのぞくのが好きで、みんなが折り紙をするときは木の葉を折って真似をしています。

夏休みに入り幼稚園がお留守になると、母さんは、しばらく誰も来ないから幼稚園に遊びに行ってもいいよ、とキッコちゃんに言います。

キッコちゃんは、前から乗りたかったブランコに乗って、幼稚園の女の子になった気持ちがしたり、砂場で、お山を作ったりして、幼稚園を満喫します…。

キッコちゃんやお母さん、幼稚園の生徒や先生。登場人物がみんないい人で温かくて、幸せな気持ちになれます。

素朴なタッチで描かれるキッコちゃんの楽しそうな表情がとてもかわいらしい一冊です。

 

②『ボートやのくまさん』

フィービ・ウォージントン さく・え

こみや ゆう やく

福音館書店

イギリスの傑作絵本、くまさんシリーズより『ボートやのくまさん』です。

うまのデイジーと、いもうとのスージーと一緒に暮らしている、ボートやのくまさんの一日が、牧歌的な雰囲気でつづられた不朽の名作です。

涼しげな水辺の様子や、近所の人々との交流など、読んでいると疲れた心が穏やかに凪いでいく一冊です。

 

oicchimouse.com

 

③『うんがにおちたうし』

ピーター・スパイアー
フィリス・クラシロフスキー
みなみもと ちか やく

ポプラ社

オランダの畑の中で暮らしている牛のヘンドリカは、ただ食べて、ミルクをしぼらせてあげるだけの毎日や、かわりばえのしない風景に嫌気がさしていました。

馬のピーターが町の話をすると、ヘンドリカは、行ってみたくて仕方がなくなります。

そんな、ある日、食べて食べて太りすぎたヘンドリカは、足を滑らせて運河に落ちてしまいます。
途中で箱にぶつかり、押しているうちに、ヘンドリカは、箱に乗っかってしまい、そのまま流されて行ってしまいました…。

「回遊式絵本」と命名したくなる一冊です。
運河を流される様子も涼しげで、暑くて退屈な日にぴったりです。

 

④『おとうさんねこのおくりもの』

メアリー・チャルマーズ さく・え

まつの まさこ やく

福音館書店

ねこの子どもたちは、蛾の子どもや、うさぎさん一家が、ピクニックに行くことを知り、おとうさんねこに「自分たちもピクニックに行きたい!」とねだります。

おとうさんは、「今日は忙しいからだめ」と言い、次の日も「やらなきゃいけない仕事がある」と断り、なかなか連れて行ってくれません。

ついにピクニックに行けることになった日、子どもたちは、あまりにうれしくて、朝の4時に起きました。

そして、おとうさんねこには子どもたちを喜ばせるための、とっておきのサプライズがあったのです。

ピクニックが楽しみで仕方がない、ねこの子どもたち、子ども思いのお父さん、水辺での涼しげなピクニックの様子。
どのページも優しくて、のんびりしていて、ピクニックに行きたくなってきます。

モノトーンに、部分的に配色が施されている絵も、とても可愛くて素敵です。

 

⑤『わたしのおふねマギーB』

アイリーン・ハース さく え
うちだ りさこ やく
福音館書店

「これは おねがいが かなった おはなしです。

あるばん、マーガレット バーンステイブルは おほしさまに おねがいしましたーーー

ほっきょくせいさん

うみの おほしさん

おふねが ほしいの

わたしの なまえつけた おふねで

おもいっきり うみを はしりたいの

いちんちじゅう

だれか なかよし

いっしょに のせて

そして マーガレットは ベッドに もぐりこみました。

めが さめてみると、マーガレットは ふねのなかでした。

ふねの なまえは マギーB。」(原文ママ)

夜の夢の中のお話なのか、マーガレットの想像の世界のお話なのか、はたまたお星さまが叶えてくれた一日だけの本当の世界なのか。

とても不思議で曖昧な世界を、マギーBは、気持ちよく走ります。

船の一番上のデッキには小さな畑があって、ヤギ、ひよこ、りんごとももと、オレンジの木、オレンジの枝にはオオハシ。

朝ごはん用に、オレンジを一つもぐ…。

曖昧で自由な世界は子どもの特権ですが、大人もひと時、曖昧な世界に身を置いて、くつろぐのはとても素敵なことです。

特にのんびりとした休日のひとり時間には…。

潮の香りがしてきませんか?

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

いかがでしたか?

絶版の絵本については、図書館にあるかと思いますので、ぜひ手にとってみてくださいね。

 

次回は、今回に引き続き水辺が舞台の涼しげな絵本をご紹介するほか、少しミステリアスで不思議な雰囲気のものや、ノスタルジックな日本の夏を感じる作品などもご紹介していきます!

 

oicchimouse.com

 

 

oicchimouse.com

 

oicchimouse.com

 

にほんブログ村 本ブログ 絵本・児童書へ
にほんブログ村 人気ブログランキング
人気ブログランキング