【今日のおすすめ絵本】(対象…小学校低学年〜大人まで)
『くさはらのこびと』
文・絵…エルンスト・クライドルフ
訳…おおつか ゆうぞう
福音館書店
(感想をまじえつつ、ざっくりこんなお話)
くさはらのこびと達の主な交通手段は、バッタ車です。
2匹並べて、車体をつなげ、馬車のようにして乗ったり、1匹の上に直接乗ったりして使います。このバッタは迫力まんてんの強そうなバッタです。
普段は、こびとの家の屋根に駐車場ならぬ「駐バッタ場」的なスペースがあり、そこにとめてあります。
バッタは、屋根の上にはえている草を食料としています。いつでも食べられて便利ですね。
ある日、こびとAが出先から帰ってくると、お隣の家のこびとBが、怒鳴り込んできました。
ご近所トラブルです。
こびとBの家の屋根の草が、こびとAの家のバッタに食い荒らされたと言って激怒しているのです。
こびとB「また、あんたの ばったどもが やったんだ!やつらは、しょっちゅう、うちに とんでくる!ほんとに、わしのとこは、やつらに くいつぶされちまうぞ!」
こびとA「ほほう!そいつは、はなしが あべこべさ!あんたのとこには もう くさが はえないもんだから、あんたの ばったどもが こっちに とんできて、よるのあいだに、こっそり、たっぷり くっちまうのさ」
こびとA、B「どろぼう!うそつき!あくとう!」
両者の怒りは頂点に達し、ファンタジーの世界の住人とは思えない、激しい戦いが始まります。
こびとの奥さんや子ども達はドン引きです。
さて、「こびとA」と「こびとB」の戦いはどうなってしまうのでしょうね?
こちらの絵本、最後の1ページだけ、雰囲気が少し変わります。
夜中こびとの子どもたちに夢を見せにくる夢おじさん。
家の前の泉から、ちろちろ流れ出す銀の鎖で遊ぶ小さい天使。
霧の中に消えていくお化けたち。
夜になると、こびとの家の前には謎のキャラクターが勢ぞろいです。