【今日のおすすめ絵本】(対象…4歳頃から大人まで)
『フィンダスのクリスマス』
スベン・ノルドクビスト 作
すどう ゆみこ 訳
宝島社
(あらすじ)
明日はいよいよクリスマスイブ。
猫のフィンダスとぺテルソンさんは、クリスマスの準備で大忙しです。
ところが、モミの枝集めの途中、ぺテルソンさんは、足を骨折してしまいます。
フィンダスは、ぺテルソンさんの代わりに大掃除を始めますが、床は水浸し。
足を引きずりながらぺテルソンさんは、生姜パンを焼こうとしますが、なぜか残しておいたはずのパン種は、ほんの少ししかありません。
あたりは段々暗くなり始め、「人参とイワシの缶詰だけのクリスマスイブ」が刻一刻と迫ってきます。
クリスマスツリーもありません。
二人の間には険悪な雰囲気が流れ始めました…。
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表紙中央の窓から部屋の様子を覗いている複数名の方々は、クリスマスの幽霊ではありません。
とても温かく親切なご近所の方々です。
このご近所さん達が訪ねてきてから、ストーリーは、一気に好転します。
近所の方々の親切と、木の棒に穴を開け、モミの枝を差し込んだ、即席のクリスマスツリー。
クリスマスツリーの飾りは「とりあえず、赤いものやピカピカ光るものならなんでもいいや」と集めた、人参や温度計、赤いペンキが付いたままのハケです。
私は、何事もついつい形式にこだわってしまう方なのですが、実はクリスマスに限らず、行事などで一番大切なことは、形ではなく、「親しい人々とお祝いして、幸せなひとときを過ごしたいという気持ち」それ一つだけで充分なのですよね。
お正月明け、七草粥のための七草購入に出遅れて、野菜売り場に七草がすっからかんだったときには、自信を持って小松菜で代用したいと思います。