【今日のおすすめ絵本】(対象…4歳頃から大人まで)
『クリスマスのまえのばん』
クレメント・C・ムーア ぶん
わたなべしげお やく
ウィリアム・W・デンスロウ え
福音館書店
(あらすじ)
夜中に目が覚め、賑やかな音にベッドからはね起きた父さん。
父さんが家の中で遭遇したのはセントニコラス。
小さい体に大きな顔。可愛いおなか。
笑うたびに丸いおなかはボウルに入れたゼリーのように震えます。
父さんは思わず笑ってしまいました。
セントニコラスにウインクされて、父さんは楽しい気持ちになります。
セントニコラスは、大人も思わず笑ってしまうくらい愉快なおじさんなのです…。
*
*
*
畑や果樹園に囲まれた古い灰色の館に住んでいた学者のクレメント・C・ムーア。
彼が子どもたちのために書いた、セントニコラス(サンタクロース)のお話は、アメリカの古典となり、たくさんの画家によって挿絵がつけられ、私たちは、味わいの異なるさまざまな絵本を楽しむことができます。
こちらは、『オズの魔法使い』の挿絵で知られるウィリアム・W・デンスロウが、挿絵を担当した絵本です。
セントニコラスのお洋服が現在主流になっている赤い服でなく緑の服なところも注目ポイントです。
まるでエンターテイナーのようにノリノリのセントニコラスは、序盤からみんなを笑わす気満々の顔つきです。
ソリに乗って空を飛ぶ顔の、気持ちよさそうなことといったら!
大人も子どもも思わずソリの隣に同席したくなるほどです。
砂糖菓子が踊り、セントニコラスが、おもちゃ達と踊り回る様子は、まるでミュージカルを見ているかのよう。
お調子者の酔っ払いのようなサンタさんが登場するこの絵本は、クリスマスイブのドキドキとワクワクそのものなのです。
サンタさんの訪れに興奮して、誰もが心踊ってしまう特別な夜。
〈クリスマスのまえのばん〉は、もうすぐそこまできています。