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こんばんは〜。oicchimouseです。
年末が近づくにつれ段々と忙しくなってまいりましたが、みなさんもどうぞ体調など崩されませんようご自愛くださいませ。
さて、【大人におすすめのクリスマス絵本】。
第3夜の今夜は、
〈サンタさんの訪れを待ちわびていたあの頃の自分にもう一度出会う〉
が、テーマです。
[:コンテンツ]
・クリスマスのまえのばん
『クリスマスのまえのばん』
クレメント・C・ムーア ぶん
わたなべしげお やく
ウィリアム・W・デンスロウ え
福音館書店
夜中に目が覚め、賑やかな音にベッドからはね起きた父さん。
父さんが家の中で遭遇したのはセントニコラス。
小さい体に大きな顔。可愛いおなか。
笑うたびに丸いおなかはボウルに入れたゼリーのように震えます。
父さんは思わず笑ってしまいました。
セントニコラスにウインクされて、父さんは楽しい気持ちになります。
セントニコラスは、大人も思わず笑ってしまうくらい愉快なおじさんなのです…。
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畑や果樹園に囲まれた古い灰色の館に住んでいた学者のクレメント・C・ムーア。
彼が子どもたちのために書いた、セントニコラス(サンタクロース)のお話は、アメリカの古典となり、たくさんの画家によって挿絵がつけられ、私たちは、味わいの異なるさまざまな絵本を楽しむことができます。
こちらは、『オズの魔法使い』の挿絵で知られるウィリアム・W・デンスロウが、挿絵を担当した絵本です。
セントニコラスのお洋服が現在主流になっている赤い服でなく緑の服なところも注目ポイントです。
まるでエンターテイナーのようにノリノリのセントニコラスは、序盤からみんなを笑わす気満々の顔つきです。
ソリに乗って空を飛ぶ顔の、気持ちよさそうなことといったら!
大人も子どもも思わずソリの隣に同席したくなるほどです。
砂糖菓子が踊り、セントニコラスが、おもちゃ達と踊り回る様子は、まるでミュージカルを見ているかのよう。
お調子者の酔っ払いのようなサンタさんが登場するこの絵本は、クリスマスイブのドキドキとワクワクそのものなのです。
サンタさんの訪れに興奮して、誰もが心踊ってしまう特別な夜。
〈クリスマスのまえのばん〉は、もうすぐそこまできています。
・クリスマスのふしぎなはこ
『クリスマスのふしぎなはこ』
長谷川摂子 ぶん
斎藤俊行 え
福音館書店
「ぼく」が縁の下で見つけたのは、「ふしぎなはこ」。
「ふしぎなはこ」を開けてみると、中にいたのはベッドですやすや眠るサンタさん。
お母さんがクリスマスケーキを作り始めた頃、こっそりサンタさんの箱をまた開けてみると、サンタさんは大きな白い袋をかついで、ソリに乗り込もうとしているところ。
夜が近づくにつれ、箱の中のサンタさんも段々と「ぼく」の家へと近づいてくるのです。
箱の中に「サンタさんそのものがいる」、というよりは占いの時に使う「水晶玉を通して見ている映像」のように描かれていて、とても幻想的な雰囲気です。
またこの絵本について、とても興味深いのが、「ぼく」の住む家が、ぬくもりあふれる伝統的な日本家屋であるということ。
三角巾とエプロンを身につけ、洗濯や掃除をテキパキとこなしながら、サンタさんが気になって仕方がない「ぼく」にあたたかな眼差しを向けるお母さんの姿も、誰もが心の中にイメージする伝統的な「日本のお母さん」なのです。
お父さんの
「そうさなあ、そろそろ まちに つくころかな」
というセリフや、
お母さんの
「あのこは ねたか、このこは ねたか、ねたこの うちから くばろうか、って サンタさんは うたって あるくのよ。さあ、はやく ねましょ」
というセリフの中にも、どこか懐かしい昔話のような、わらべうたのような雰囲気が感じられます。
この絵本は、おそらく長谷川さんと斎藤さんが描く、「日本の土地にすっかり根付いたクリスマス」いわば、今後も文化として残していきたい「日本の民間伝承としてのクリスマス」なのです。
昔話の再話も多く手がけ、「言葉」を大切にされていた長谷川さんならではのこだわりと、その世界観・空気感を見事なまでに表現した斎藤さんの絵が紡ぎ出す、珠玉の作品です。
クリスマスは、私たちが子どもだった頃に比べてすっかりお洒落で洗練されたものになり、年々「本物」に近づきつつありますが、大人の方もひとときこの絵本の世界に入り、しばしあの頃の自分に会いに行って見ませんか?
明日はついに第4夜。最後までどうぞお付き合いくださいませ。
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