【今日のおすすめ絵本】(対象…4歳頃から)
『クリスマスのおくりもの』
ジョン・バーニンガム さく
長田弘 やく
ほるぷ出版
(あらすじ)
クリスマス・イブの夜、おじいさんサンタとトナカイたちは、やっと家に戻ってきました。
おじいさんサンタとトナカイたちは、世界中の子どもたちにプレゼントを配ってきたので、すっかりくたびれていました。
おじいさんサンタとトナカイたちは食事をしました。
それからおじいさんサンタは、トナカイをベッドに連れていきました。
「なんだか気分が悪い」
一頭のトナカイが言いました。
お腹が空いて、途中のどこかで多分食べてはいけないものを、トナカイは、かじって食べてしまったのです。
おじいさんサンタは、トナカイたちをぐっすり休ませてやらなければならないと思いました。
おじいさんサンタも休むことにして、パジャマに着替えましたが、その時、ベッドのすみっこに置いた袋の中に、配り忘れのプレゼントが残っているのを見つけたのです。
おじいさんサンタは、とても疲れていましたし、トナカイたちもぐっすり休んでいましたし、そのうち一頭は食中毒です。
それでも、贈り物は絶対に届けなければいけません。
おじいさんサンタは、パジャマの上にサンタクロースの赤いコートを着て、プレゼントの袋をかつぐと、冷たい冬の夜の中を、一人でとことこ歩きはじめました…。
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バーニンガムによるはじめてのクリスマス絵本です。
ところどころコラージュが施された挿絵が、おじいさんサンタの長旅に、より一層の臨場感を持たせています。
頼りのトナカイは体調不良で戦力外。
夜も遅い。
サンタさんだってお年寄りで体もつらいはずですが、子どもをがっかりさせるわけにはいかないので最後の力を振り絞って…。
パジャマの上にお馴染みの上着を羽織って、果てしない残業がはじまります。
ところどころで出会う人々がサンタさんのために力を貸してくれて、リレーのように少しずつ子どもの家へと近づいていく。その様子は、世の中の大人たちみんなが小さな子どもたちの幸せを願うクリスマスの夜の風景と重なります。
バーニンガムらしい、ユーモアと優しさの詰まった、素敵な素敵なクリスマス絵本です。