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純文学は何歳から読める?〈当事者読み〉と〈俯瞰読み〉から考える

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はじめに

こんにちは〜。oicchimouseです。

さて、今日はちょっと純文学についてお話したいと思います。

 

 

絵本、幼年童話、児童書…と子どもの読み物の種類が変わっていき、小学校高学年くらいになると、そろそろ純文学なども読めるかも??とお考えになるご家庭もあるのではないでしょうか。

 

 

 

ですが、ひと口に純文学といってもその種類は様々です。

また、「子どもに有名な純文学小説を読んでみるように勧めてみたけど、実は私も読んだことないんだよね…」といった場合もあるでしょう。

 

 

 

そこで、今日は、わたくしoicchimouseが、純文学を読むのに適した年齢について、〈当事者読み〉〈俯瞰読み〉という二つの観点を軸に、ご説明していきたいと思います。

注:〈当事者読み〉と〈俯瞰読み〉はoicchimouseの造語です。

 

 

〈当事者読み〉とは…

自分と登場人物を重ね合わせて読む読み方。登場人物の体験が、そのまま自分の身に起こったことのように感じる。

 

〈俯瞰読み〉とは…

自分と登場人物はあくまで別の存在であると認識し俯瞰した状態で読む読み方。自分と登場人物を切り離して読む。

 

 

 

「子どもの本」のこと

基本的に「子どもの本」というのは、この〈当事者読み〉に適したものが多いと思います。また、〈当事者読み〉で読んでこそ作品の魅力が最大限に引き出されるような内容になっているのです。

例えば、子どもから大人まで人気の「ハリーポッター」。これを当事者読みと俯瞰読みで読んだ場合、当事者読みで読んだ方が楽しいのは明らかです。

 

そして、残念なことに、この〈当事者読み〉の能力は、成長するに従って、消滅こそしないものの徐々に低下していきます。

 

〈当事者読み〉の能力の低下とともに姿を表すのが、〈俯瞰読み〉です。純文学を読むのに適しているのが、この〈俯瞰読み〉なのです。

 

 

「純文学」のこと

純文学作品の多くは、古典作品にしろ現代作品にしろ内容的には子どもが読むにはだいたいアウトです。

それは、どうしても性的描写やグロテスクな描写がところどころに登場するからです。絵画などをみてもわかると思いますが、「人間というものの本質を描こうとするとそういった部分を避けて通ることはできない」と感じている作家や芸術家が多いからでしょう。

ですから子どもが〈当事者読み〉で読んでしまうと、大変やばいのです。

しっかりと〈俯瞰読み〉できる年齢になってから読んでもらいたいし、その方が作品の本質を理解し、本当の意味で楽しむことができると思います。

 

 

純文学は何歳から読める?

ですから、正直読むこと自体は、少し早熟な子であれば小学校の中・高学年ごろから読めますが、色々なことを考慮すると〈当事者読み〉2:〈俯瞰読み〉8くらいになってくる中学3年生〜高校生頃からがおすすめです。

 

小学生でも読める純文学はある?

 

とはいえ、純文学作品の中にも小学生から読んでも問題のない本は色々あります。

それはつまり、言い換えれば〈当事者読み〉で読んでも問題ない作品のことです。

 

例えば、純文学の代名詞ともいえる作家の芥川龍之介。

彼の作品の中に、『戯作三昧』と『地獄変』というものがあります。『戯作三昧』は確か中学か高校の国語の教科書にも載っていましたね。

 

この2作は、どちらも「芸術至上主義」がテーマの作品ですが、『戯作三昧』の主人公には人間性と芸術性が共存し、ラストには希望を感じるような爽やかさがあるのに対し、『地獄変』の主人公は最終的に人間性が崩壊し、それと引き換えに究極の芸術を手に入れるといった結末を迎えます。

 

この場合、

『戯作三昧』は〈当事者読み〉ができるため、小学生からOK。

『地獄変』は〈俯瞰読み〉が必須なので、中学3年生〜高校生頃から。

 

と、なる訳です。

 

 

 

 

 

他には、各出版社さんから、「小学生から読める」タイプの純文学の本が出ていますので、そういったものもおすすめです。↓

 

 

 

 

おわりに

私は常々、本にはその年齢ごとの「旬」の作品があると思っています。大人になってから出会った児童書などで、これは、〈当事者読み〉の能力がマックスだったあの頃にぜひ読みたかったな、、、と思うものも多々あります。

 

背伸びするのもたまには良いですが、読書も、食材と同じでその時々の「旬」が、一番栄養になるんではないか、と感じる今日この頃です。

 

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