◎当ブログは、アフェリエイト広告を利用しています。
【はじめに】
現代の子どもは「活字離れ」しているのかどうか?
答えは「NO」です。
むしろ、めっちゃ読んでます。
では、一体現代の子どもたちの読書の実態はどのようなものなのか?
一つずつ紐解きながら見ていきたいと思います。
ちょっと文章が長いので、ところどころすっ飛ばして見ていただいて結構ですよ〜。
【子どもの活字離れの実態】
oicchimouseが、毎日新聞社による読書世論調査1993年〜2022年の約30年間に渡るデータを分析したところ、小中学生に関しては読書量、不読率(=1か月の間に1冊も本を読まなかった子供の割合)ともに、多少の増減を繰り返しつつもこの30年間で、目を見張るほどの改善がみられます。
読書量は、30年前の2倍以上に増え、不読率に関しても、なんとなんと、30年前の半分以下にまで下がっています!
現代の子どもたちは、読書家ですね。
学校での朝の読書、ボランティアの方々による朝の読み聞かせ、家庭での絵本の読み聞かせの意識の高まり、などが改善した要因と考えられます。
しかし……多少の改善傾向はみられるものの依然として高校生の読書量と不読率に関しては51.1%という高い水準にとどまっています。
つまり、「子どもの活字離れ」ではなく、「子どもから大人へと成長していくにつれ活字から離れてゆく…」が正解なのです。
この傾向から、最も注目すべきは読書人生の分岐点である【高校生以降の活字離れ】だといえます。
また、子どもたちを見ていると、その予兆は、小学校の中高学年あたりから感じます。
【原因】
●そもそも、小中学生時代から特に読みたくはなかったが、読書の時間や読書カード、読書感想文など、読まなければいけない事情があったため、仕方なく読んでいた。
●気に入る本に出会えない。
●図書館司書や学校図書館司書教諭、まわりの大人などから本に関する適切なサポートが受けられていない。
●絵本から児童書や一般書籍への移行がうまくできていない。
のような事柄が挙げられるかと思います。
【改善策】
まずは、「イヤイヤ読む」→「主体的に楽しむ読書」にしていくことが大切。
この「主体的に楽しむ読書」については、いろいろ考え方が分かれるところではございまして……
よく言われているのは、「良書にこだわらず、子どもが読みたいものを読ませる。」という考え方です。
これは、全くそのとおりなのですが……。
oicchimouse的には、「子どもたち…どうか良書を読んで…お願い…この世から人類の宝とも言える良書が消えてしまう(涙)」
です。
ここで言う「良書」とは、「勉強になる本」「教養として役に立つ本」のことを言っているわけではありませんよ。
〈子どものことを「子どもだから」と甘く見ていない本〉
のことを、私は「良書」とよんでいるのです。
子どもが自分にとって楽しい本を読むことは素晴らしいことですし、私も大賛成です。
ただし、ここで一つ考えなければならないのが、子どもが楽しければどんな本でも良いのか?という問題です。
昨今世の中に溢れている本はまさに玉石混交。本の形はしているけれど、とても本とは呼べないような子どもを甘く見ているような、場合によっては子どもではなく、まるで、その後ろにいるお会計をする大人のことだけを意識して書かれたような作品もたくさんあります。
それだけで本当にいいのだろうか。
「楽しい本」とは何なのか?ただお話の中でから騒ぎして終わるような本が、本当の意味で「楽しい本」だといえるのだろうか?
本屋さんで自分で探すのは少し大変かもしれませんが、図書館に行くと、絵本から児童書・一般書籍への橋渡しをしてくれるような楽しい幼年童話がたくさんあります。
司書の方に声をかけたり、レファレンス窓口で相談すれば、楽しい本をたくさん教えてもらうことができます。
司書の皆さんは、本が好きでお仕事されているので、とても親切に教えてくれますよ。
子どもは、どの子もこの子も「から騒ぎ的な笑い」の本でなくても、楽しむ力を持っています。
子どもをなめてはいけません。
それは、小学校に読み聞かせに行っていつも思うことです。
ですからぜひ、「子どもにとって楽しい本」を選ぶときには、「子どもにとって(本当の意味で)楽しい本」を選んでいただけたら、と思います。
【(将来の読書習慣につながる)子どものための本選びの方法】
●しっかりと人間の心が描かれた質の高い本
●子どもの現在の生活や心情と重なる本
●子どもをよく観察し、興味・関心を持っていそうな事柄について書かれた本
●興味・関心のある分野から、一部分を「しりとり」するように関連付けながら分野を広げていく
(例えば、妖怪好きな子どもであれば、ただ単純にキャラクターとして妖怪が出てくる本ばかりを選ぶのではなく、各都道府県の妖怪分布図の載った本、鬼と病に関する歴史について書かれた本、お化けについて科学的に説明した本、柳田國男や南方熊楠などの民俗学者について書かれた本……といった具合に広げていくと、子どもたちは目を輝かせて読書の楽しみに目覚めます。)
このように、本の中に自分がこれまで知らなかった楽しい世界を見つけることは、子どもと本との間に信頼関係をもたらします。
本当に良い本は、絵本だろうと本だろうと、読んだその時だけの一過性でなく、子どもから大人へと揺らぐ繊細な世代の心をしっかりと抱きしめてくれます。
この経験は生涯における読書習慣に大きな影響を与えるはずです。
【児童書も読み聞かせする】
絵本→幼年童話→児童書。いずれも読み聞かせから入っていってください。
年長から小学校一年生くらいで、読み聞かせを卒業するご家庭が多いそうですが、
「字が読めるようになったから読み聞かせするのはもうおしまい」は間違い
です。
字を読めることと読み聞かせすることは、別物です。
絵本より少し難しくなった幼年童話の世界も、児童書の世界も、親が読み聞かせして、一緒に手を繋いでお話の世界について来てくれるから、子どもは安心して楽しむことができるのです。
ですから、読み聞かせを卒業するのは、「子どもから拒否された時」のみ、です。
十分に読み聞かせしてもらって自信のついた子どもが、やがて一人で読書に没頭し、本の中の世界を親の付き添い無しに自由に旅すること。
これこそが、「読書の楽しみのはじまり」なのです。
【まとめ】
●幼少期の絵本の読み聞かせ
●子どもをよく観察し、真に優れた良書の中から今現在のその子に合った本を心を込めて選び、字が読めても読み聞かせして一緒に楽しむ。
絵本も児童書も読み聞かせする。長い本なら、毎日少しずつ読み聞かせする。
(拒否されるまで何歳まででもOK。大人のためのお話会もあるくらいですので。)
●「自分で読むほうが読みやすい」と言いだしたら、そっと手渡してあげる。
●図書館のレファレンスサービスを最大限利用し、親も子も「本選びの迷子」にならないようにする。
●興味・関心のある分野から、しりとり式の本選びをしていくことで、世界が広がる楽しさ、読書の本当の楽しさを味わうことができる。→読書が特別なことではなく、習慣になる。
【おわりに】
熱く語りすぎて、めっちゃ長くなってしまいましたが、最後までお読みくださったみなさま、どうもありがとうございました。
2024年の4月から、oicchimouseは絵本講師としての活動を開始する予定です。(無事、合格したらの話ですが…笑)
↑こんな感じで活動する予定です。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします〜。