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はじめに
こんにちは。oicchimouseです。
今日は新年度から『小学校読み聞かせボランティア』をやってみようかなぁ…とお考えの方に、ぜひ知っておいていただきたい”できれば避けたほうがよい絵本”についてお話しさせていただきたいと思います。
また、現在すでに読み聞かせのボランティア活動をされているベテランの方にもできれば頭の片隅に置いておいていただけるとありがたいです。
『小学校読み聞かせボランティア』の本選びや服装、読み方などの基本情報につきましては以下の記事をご覧ください。⬇︎
”できれば避けたほうがよい絵本”とは何か?
それは、
戦争の絵本
ホラー絵本
悲しすぎる絵本
です。
避けたほうがよい理由
戦争の絵本とホラー絵本と悲しすぎる絵本を、なぜ朝の読み聞かせボランティアで読まないほうがよいか?
それは子どもがクラスに30人いた場合、それぞれの「感受性」も30通りだからです。
(戦争絵本について)
あまり知られていないことですが、学校の平和学習などで戦争映画を見たり、教室で戦争絵本を読み聞かせされた子どもに、トラウマやPTSDのような症状が現れるという事例が多数あります。(ググっていただくとよく分かります。)
感受性が強ければ強いほど、精神的な傷は深く残り、完治まで時間がかかってしまいます。映画や絵本は、いわば擬似体験。人によっては見た時のショックと恐怖のみが残り、映画や絵本の内容が全く思い出せないという方もいます。
平和の大切さを伝えるのが目的なのに、恐怖しか残らないのであれば、何の意味もありません。
平和学習は大切なことですし、戦争絵本についても当時のことを記録として後世に伝えていく上で必要なものであると思います。
しかしそれで、フラッシュバックや不安など、子どもたちの日常生活に支障が出てしまっては元も子もありません。
文部科学省のホームページによると、大人に抱かれていて安心感があったりする場合にはトラウマになりにくいとの報告がされています。
このことから、戦争絵本を公共の場で小さな子どもたちに読み聞かせする必要がある場合には、
・保護者の同席
・事前に絵本の内容のアナウンス
・発達段階に応じた内容の絵本を選ぶこと
・ただ恐怖を植え付けるのではなく、問題意識を持ち、平和な世界をつくるための解決策を考えることができるような絵本を選ぶこと
が不可欠であると思います。
間違っても、朝の小学校読み聞かせボランティアで、「最近国語の授業で『ちいちゃんのかげおくり』を習っているから、クラスで戦争の絵本を読もう。」などと、簡単には考えないでいただきたいのです。
学校の教室という場では子どもたちは、どんなに強い恐怖を感じてもすぐに親に抱きしめてもらうことはできないからです。
(ホラー絵本について)
ホラーや怪談が好きなお子さんもいらっしゃいますが、近年ブームの大人もターゲットにしているようなホラー絵本については、集団の前で読むのは避けたほうがよいでしょう。
子どもの中には、その場では何ともないように見えても、一日の出来事を思い出す夜になってから急に泣き出す、震える、などの行動が見られることがあります。
(悲しすぎる絵本について)
こちらも、「朝の」読み聞かせボランティアでは避けたほうがよいでしょう。
朝、登校してきた子どもたち。
教室で、机を並べてみんな座っていると、みんな同じように見えるかもしれませんが、その心の中は様々です。
元気よく登校してきた子もいれば、朝からお母さんやお父さんに怒られて嫌な気持ちで登校してきた子もいるかもしれません。
嫌な気持ち、悲しい気持ちで登校してきた子が、朝一番に、悲しすぎる絵本を読み聞かせされたらどうでしょう?
子どもたちは、読み聞かせが終わった後も一日を学校で過ごします。
勉強したり、遊んだり、目一杯元気に活動するのです。
ですから、朝の読み聞かせボランティアでは、どの子も一日を元気に始められるような絵本を選んでいただきたいと思います。
おわりに
実は、私自身、小学一年生の頃に校内で平和教育の一環として上映された戦争映画を見たことで、6年間PTSDに悩まされた経験があります。今ほどカウンセリングなども充実していなかったため、親は相当大変だったようです。
私たち読み聞かせボランティアは、その場で読んで終わりですが、読み聞かせした絵本でクラスの子の誰かに深い精神的ダメージがあった場合、そのケアをするのはそれぞれの家庭の親なのです。
そのケアは、1日で終わるかもしれないし、もしかしたら10年かかるかもしれない。
そのことを、どうぞ忘れないでください。
「感受性の強いたった一人のことを気にしていたら何も読めない」というご意見もたまに見かけますが、クラスというのは、単なる「子どもの塊」ではありません。一人一人が大事な将来のある大切な子どもなのです。
一人一人を大切に思う気持ち、一人一人に寄り添う気持ちがあってこそ、本当の意味で子どもたちと一緒に絵本の時間を楽しめるのではないでしょうか。
ではでは、最後までお読みいただきありがとうございました。