【今日のおすすめ絵本】(対象…3歳頃〜大人まで)
『あかちゃんでておいで!』
マヌシュキン さく
ヒムラー え
まつながふみこ やく
偕成社
(あらすじ)
トレシーかあさんは、お腹の赤ちゃんが大きくなるように、たくさんご飯を食べます。
「ほら、おいしいでしょ、あかちゃん?」と聞くと、お腹の奥の方であかちゃんは、「うん、うん。」と言いました。
かあさんが絵を描いて、「ほら、きれいな えでしょ、あかちゃん?」と聞くと、お腹のあかちゃんは「うん、うん」とお返事しました。
ところが、森へ散歩に行ったかあさんが、「早く外に出てみたいでしょ」と言うと、あかちゃんは「いや、でていくの いや!」と言いました。
かあさんは、悲しくて泣きます。
お姉さんが、かあさんのお腹に向かって「でてきなさい!」と怒鳴ると、あかちゃんは「きゃー。」と泣きました。
お兄ちゃん、おじいちゃん、おばあちゃんも説得しますが、赤ちゃんは、「出ていかない」の一点張りです。
それきり、寝てしまいました…。
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最終的に赤ちゃんは、もちろんお腹から出てきます。
赤ちゃんの気が変わったのはどうしてでしょうか?
素敵な結末が待っています。
お腹の中が透けて、中のあかちゃんの様子が丸見えな描き方も、どこかおかしみがあります。
発売当初、アメリカで高く評価された「生まれる前の赤ちゃんの気まぐれな物語」。
待ち望まれて、この世に迎えられたんだということを実感してもらえるような一冊です。
残念ながら絶版で、古書でも手に入りにくい作品ですが、ぜひ、図書館で探していただきたい傑作です。