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“ことば”こそ人間の実体『アメリカインディアンの えもじのえほん』

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【今日のおすすめ絵本】(対象…低学年から大人まで)

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『アメリカインディアンの えもじのえほん』


ロバート・ホフシンド
金石教子 編

至光社 ブッククラブ国際版絵本

 

 

 

クリストファー・コロンブスがインドとかんちがいしたアメリカ大陸に古くから住んでいた人びとは、いまでもインディアン=インド人とよばれています。

 

彼らには自分たち独自のよびかたがあったと思われますが、その種族のほとんどが失われてしまった現在、外側からの人間が一方的につけた呼称しか残っていないので、私も彼らには深い敬意と同情を抱きながら、便宜上、アメリカ・インディアンの呼称を使わせていただきます。

 

アメリカ・インディアンの絵文字は古くから使われ、いまもって生きている"ことば"で、人間が同じ形象をし、誰の目にも自然が同じく映るならば、このアメリカ・インディアンの“ことば”こそ世界でもっとも解りやすい文字の原形であると、私は思います。〈中略〉

私たちはこのことばの源をたずね、祖先の足跡をたどりながら、われら地球人の未来への指針をしっかりと把握していかねばなりません。〈後略〉

〈編者 金石教子さんによる(あとがき)より原文ママ〉

 




アメリカ・インディアンの絵文字はエジプト絵文字→シナイ文字→フェニキア文字→ギリシャ文字、そしてアルファベットへとつながっていき、古代中国の象形文字もまた漢字へとつながっていきます。

 

 

編者の金石さんは「“ことば”こそ人間の実体であり人類文化の原点である」と本著で述べられています。

 

 

この本の素朴でどことなく愛嬌のある絵文字の数々を眺めていると、いかにこの文字が人々の生活に根付いていて、相手に気持ちを伝えたいという強い想いからくる創意工夫によって生み出されたものであるのかが、ひしひしと伝わってきます。

 

 

アメリカ大陸の忘れてはいけない歴史と共に、今もアメリカ・インディアンと呼ばれている彼ら先住民の暮らしや文化に想いを馳せながら読みたい一冊です。

 

 

 

*かつて一世を風靡した「千の風になって」という歌は、アメリカの詩「Do not stand at my grave andweep」が日本語に訳され、曲が付けられたものですが、この元々の作者は、アメリカ人のメアリー・フライさんという方だといわれています。

しかし、この詩の起源をさらに遡るとアメリカインディアンにいきつく、との説もあるようです。
(真偽は不明ですが、何となく納得できるような気もします。)



 

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