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oicchimouseの森の図書館員がめくるめく絵本の世界をご案内いたします。お子さまも大人の方もどうぞひと休みしていってくださいな。

夢中で遊んだあの日々が色鮮やかによみがえる『だいスキ友だち大親友』(日曜連載小説)…第5話クラス替えと新たな大親友

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5.クラス替えと新たな大親友

 

 

さて、しばらくして、クラス替えの季節が近づいてきたわ。

 

 


私は嫌で嫌で仕方がなかったの。

 

 

 

だって大好きなムッラとクラスが離れるなんて寂しいじゃない。

 

 


ムッラも同じ気持ちのようだったわ。だって、ずっと下を向いていたもの。

 

 


でもクラス替えの季節はどんどん近づくばかり。

 

 

 

そして、とうとう来てしまったわ。

 

 

 

私は何度も祈ったの。

「ムッラと同じクラスになりますように」ってね。

 

 


でも違ったわ。

私は一組、ムッラは二組だったもの。

 

 


私は、ムッラみたいな友達ができるか不安だったわ。

だって友達が百人できても、ムッラより良い友達はいないと思ってたもの。

 

 


でもある日、前の席の子に話しかけられたの。
「なんていう名前?」

 

 


私は、「ベッラっていうの。あなたは?」と、言ったわ。

 

 


「ミッラっていうの。」と、ミッラ。

 

 


私は、ミッラもムッラと同じくらい仲良しになれる気がしたわ。

 

 


私たちは、その日一日中、一緒に話していたの。
私はムッラの話をしたし、ミッラは妹さんのミラーの話をしたわ。

 

 


私、ミッラはムッラに似ているなって時々思うのよね。

多分それはどっちも優しいから。

出会ったきっかけも似ているから。

 

 


その日の帰り道、私はミッラと手をつないで帰っていたわ。

 

 


すると、そこに、ムッラが走ってきたの。

 

 


「ベッラ。同じクラスになりたかったのに、会いたかったよ。ベッラー。」

 

 


「あはは。久しぶり。ムッラ。」と、私。

 

 


ムッラはうなずいたけど、しばらくキョトンとしてから聞いたわ。

「この子、だれ?」

 

 


「ミッラよ。私の友達。」

 

 


それを聞いて、ムッラは泣き出してしまったの。

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「えっ、私とより仲がいいの?大親友じゃなかったの?ウソつき。」

 

 


ムッラは、ダッと走って行ってしまったわ。

 

 


私とミッラは、ムッラを追いかけて行った。

 

 


そして、ムッラの家に入ったの。

 

 

 

そこには、ムッラがいたわ。

 

 

 

ムッラは、まだ泣いていた。

 

 


私はムッラにわけを話したわ。

 

 

 

ムッラは、「それなら。」と納得した様子よ。

 

 


その日から三人は、来る日も来る日も一緒に遊んだわ。

 

 


それを見ていた先生は、ムッラのクラスを一組に変えてくれたの。

優しい先生で、とても運がよかったこと。

 

 

 

でもそのおかげで先生は他の先生に怒られてしまったわ。
でも大丈夫。私たち三人がその先生をかばったからね。

 

 

 

 

 

(来週日曜 第6話「いつでも仲良しこよしってわけにゃいきません」に続く)

 

 

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