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oicchimouseの森の図書館員がめくるめく絵本の世界をご案内いたします。お子さまも大人の方もどうぞひと休みしていってくださいな。

夢中で遊んだあの日々が色鮮やかによみがえる『だいスキ友だち大親友』(日曜連載小説)… 第6話いつでも仲良しこよしってわけにゃいき ません

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6.いつでも仲良しこよしってわけにゃいきません

 

 

 

ある日、私たち三人は、一緒にアイスクリームを食べに行くことにしたわ。

 

 

 

でも意見が合わなかったの。

 

 


私は『ストロベリー』っていう店がいいと思って、ムッラは『ブルーベリー』っていう店がいいと思って、ミッラは『ラズベリー』っていう店がいいと思ったの。

 

 


でも、誰もゆずらなかったわ。

 

 


気の弱いムッラも、一時ゆずろうとしたけど、ミッラに「ゆずっちまうの?ムッラだけ?」と言われて、泣き出しそうになりながらも「ゆずらない。」と言って、やっぱりゆずらないことにした。

 

 


そのうちに、私は、

「どうして二人は『ブルーベリー』や『ラズベリー』なんて行きたがるの?『ストロベリー』のストロベリーアイスクリームがとってもおいしいのに。」と聞いたわ。

 

 


だって『ストロベリー』のストロベリーアイスクリームは世界一おいしいのよ。それなのにゆずらないなんて、どうしてそんなにつまらない意地を張るのかしら?

 

 


でもミッラは、

「そんなの『ラズベリー』のラズベリーアイスクリームの方がおいしいからに決まってるじゃない。」と答え、

 

ムッラは、「『ブルーベリー』のブルーベリーアイスクリームの方がいいもん。」と答えたわ。

 

 


でも、私、そんな意見どうやっても賛成できないの。


「なんでそんなまずい物!」

私は、そう口にしたわ。


ミッラは手を出したわ。


私は足を出した。


ムッラは目をおさえたわ。

 

きっと怖かったのね。


でも、ムッラもとうとう出したわ。

何を、って?

 

 


「石」を。

 

 


キラキラ光る、ムッラのイメージカラー(そう、パープルの)小鳥の形の石を。

 

 


そして、ポッケからペンとインクを出したの。

 

 


たまたま入っていたのよ。

私が折り紙のメダルを出した時みたいに。

 

 


そして、ペンをインクにつけると、石の小鳥に目を書いたの。

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そして素敵な歌を歌ったわ。


 
♪  生まれたての赤ちゃんの
 素敵な素敵なゆりかごのそばに
    美しい星空の花が咲いている
    心の動く月夜の葉と一緒にね
    その花から生まれた
    小さな小さなパープルの鳥
 平和を願う小さな小さな小鳥には
 けんかをなくす
 不思議な不思議な力ある
 


すると、石の光がさらにまぶしくなって、あたりに金の粉が飛び散ったの。

そして光の色がパープル一色ではなくなったわ。


しばらくして色に黄緑も混ざり、またしばらくしたら色に蛍光ピンクも混ざった。

(黄緑はミッラのイメージカラーで、蛍光ピンクは私のイメージカラーよ)


すると、なぜかみんながキラキラの光に包まれて、ケンカなんか忘れちまったわ。

 

 


その時、みんなのおなかが「グー」ってなったの。

 

 


私は、

「アイスクリームでも食べない?『ストロベリー』っていう店のは?」
と言ったわ。


みんなは、「いいわよ。」と答えてくれた。

 

 


そして、三人は『ストロベリー』まで走っていったの。

 

 


『ストロベリー』で、私はストロベリーアイスクリーム、ムッラはブルーベリーアイスクリーム、ミッラはラズベリーアイスクリームを注文したわ。

 

 


飲み物はみんな同じのスムージーよ。
 

 

 

 

(来週日曜 第7話〈最終話〉「ウォーター奥様、ご機嫌いかが?」に続く)

 

 

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