oicchimouseのおいっち・にー・さん・しー

〜絵本講師oicchimouseの絵本と本と子育ての小部屋〜

おいっちまうすのひとくちポエム〈台風〉

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〈台風〉

 

ある夜

 

お父さんは公園のブランコに乗った

 

ブランコを激しくこいで右足の靴を高く飛ばした

 

右足の靴は 高い松の木のてっぺんに引っかかった

 

お父さんは右足の靴をとるためにブランコを降り 左足の靴を松の木めがけて投げた

 

すると左足の靴も 松の木のてっぺんに引っかかった

 

お父さんは裸足のまま家に帰った

 

 

 

 

 

あれから4ヶ月が過ぎた

 

公園の松の木の前をとおったら

 

お父さんの靴が あいかわらず引っかかっていた

 

靴はすっかり松の木の上に馴染んでいる

 

野性味にあふれて

 

台風の風は強いけれど、松の木からお父さんの靴が落ちてくることはもうないだろう