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oicchimouseの森の図書館員がめくるめく絵本の世界をご案内いたします。お子さまも大人の方もどうぞひと休みしていってくださいな。

おいっちまうすのひとくちポエム〈おばけの思い出〉

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〈おばけの思い出〉

 

私が小学6年生のときの修学旅行は、京都でした。

 

お宿は少し古い旅館で、一つの部屋に、同じ班の女の子6人で布団を敷いて泊まるようになっていました。

 

お宿に大きな荷物を置いて、一休みしてから夕食を食べました。

 

少し暗くなると、先生とみんなで、夜の街にくりだし、京都タワーに登って、夜景やお土産物を見たりしました。

 

子どもと先生たちだけでの夜の散歩は夜風も気持ちよくみんな、心がうきうきしている様子でした。

 

お風呂に入って、寝る時間になったので、女の子6人でトイレに行くことにしました。

 

トイレは全部で確か3つありました。全部和式トイレです。

古いトイレだったので、床はタイル張り、トイレの扉は木でできていました。扉は少しギーギー鳴りました。

 

私たちが行った時、すでに2番目のトイレは閉まっていて、1番目と3番目のトイレしかあいていませんでした。

 

仕方がないので、みんなで順番にそのあいている2つのトイレに代わるがわる入ったのですが、6人もいるので時間がかかって、後ろに並んでいる子が我慢できなくなってきました。

 

そこで、2番目のトイレの人に早く出てもらおうと思って、「トントン」とノックすると、中から「トントン」とノックがかえってきました。

 

随分長く入っているなあ、まだ出てこないのかなあ、よその小学校の子かなあ、とみんな少し不思議に思いました。

 

しばらくして、いくらなんでももう出てきてもいい頃だろうと、また別の子が「トントン」とノックすると、また中からも「トントン」。

 

結局、全員がトイレを済ませた後も2番目のトイレが閉まったままなので、みんなでおかしいなあ、と思ってトイレのドアをえいっと押してみました。

 

すると、トイレが開きました。

 

でも、中には誰もいませんでした。

 

みんな怖くなって、きゃー!と叫んで自分たちの部屋に逃げ帰りました。

 

 

私は特に霊感もありませんし、子どもたちのただの勘違いだったのか、本物のおばけだったのか何なのかよくわかりませんが、子ども時代の少し怖かった思い出です。

 

 

 

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