【今日のおすすめ絵本】(対象…4歳頃から大人まで)

『あおい目のこねこ』
エゴン・マセーチン
せたていじ やく
福音館書店
「ねずみのくに」を見つけたら、もうお腹をすかすことがないと考えた「あおい目のこねこ」は、あるとき、いさみにいさんで、でかけていきました。
魚に馬鹿にされたり、ほとんどご飯がたべられなかったり、怖い思いをしたり…
それでもこねこは、「なーに、なんでもないさ」と言って先へ先へと進んでいきます。
途中、あおい目のこねこは、きいろい目のねこたちに出会います。
きいろい目のねこたちは、自分たちに探せなかった「ねずみのくに」をあおい目のねこが見つけられる訳がないと、意地悪を言ったり、こねこのあおい目のことも馬鹿にしました。
それでもこねこは「おもしろいことをしてみよう。なんにもなくても、げんきでいなくちゃいけないもの」「ぼくは、へんてこなねこじゃないよ」と、毎日を前向きに過ごしていきます。
そして、こねこは、最後にその美しい「あおい目」で「ねずみのくに」を見つけ出したのです。
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デンマークのオリジナル版から70年以上、日本語翻訳版の初版から60年にわたって愛されてきた古典の名作『あおい目のこねこ』です。
『三びきのやぎのがらがらどん』よりさらに古い作品です。
一般的な絵本よりは分厚い作りになっていますが、1ページの文字数が少なく、ストーリーもシンプルなので4歳頃から楽しめます。
子どもたちが保育園や幼稚園で本格的に人と関わりはじめ、社会の中に身を置くようになると、大なり小なりモヤモヤした気持ちを抱えることも増えてきます。小学生も、中学生も、高校生も、大学生も、そうかもしれません。
そんなとき、この作品は子どもたちの気持ちにしっかりと寄り添ってくれるのです。
そして、大人の私がこの作品を読むと、また違った印象を受けます。
「あおい目のこねこ」は夢を追いかけて旅に出ましたが、いつの間にか夢の方が「あおい目のこねこ」を追いかけてきたように見えるのです。
夢を追いかけ続けるのはしんどい時もあるでしょう。
でも、目の前のやるべきことを前向きにこなしていくことで「夢の方が自分を追いかけてきてくれる」と、考える方がなんだか楽しい気がしますし、思春期を迎えた子どもや、若い子たちにもそのようなスタンスでいてもらいたいな、と思います。
子どもから大人まで、人生のいろんなターニングポイントで読者の心を奮い立たせてくれる名作です。